時代
2205年から割と時間の経った23世紀。日本列島と呼ばれていた極東の島嶼部には、ジパング連邦という国家があった。
ジパング連邦は、その他多くの国々同様、現在も歴史遡行軍への対応すなわち遡行戦争に追われている。解決どころか段々戦況は悪化しつつある。政府からそれを認める発言が為されたことはないのであくまで体感である。
「〜時空」とは
この遡行戦争において、ジパング連邦政府が取った戦略は「亜時空要塞方式」もしくは「枝時空軍事ネットワーク方式」と呼ばれている。
元来この国土の歴史が営まれてきた自然時空とは異なる人工時空を作り出し、そこに軍事拠点「本丸」を置くものである。自然時空を一般に「現世時空」と呼び、本丸等を置く軍事目的の人工時空を「本丸時空」と呼ぶ。また、遡行戦争によって発生した難民を収容するための時空「保護時空」が存在する。
このジパング連邦は現在、現世時空にある領土(自然国土)に、膨大な人工時空を加えた範囲を領土とする。
本丸時空は全て、現世時空の各地方(山城、備前、豊後、加賀…など)政府に紐づけられている。本丸時空は、管理上それぞれの現世時空地方都市の一地方という扱いになっており、それぞれの地方政府に公共サービスを保障される。故に、本丸時空管理業務に携わる地方政府を「サーバー(提供者)」と呼ぶ。
当初は2つの地方政府だけがサーバー業務を行っていたが、現在では21の地方政府が参加している。
現世時空から枝分かれしたこれらの人工時空を「葡萄の房」に準え、一つの地方都市が管轄する本丸時空全体を「山城の葡萄」「備前の葡萄」などと呼ぶこともある。
なお、政治の中枢「高天原」は、自然国土上の首都・ミヤコをサーバーとする半人工時空であり、この高天原から更に枝分かれする政府直轄時空が「保護時空」である。今のところ保護時空の管理に名乗り出る地方政府がいないためである。必然的に保護時空の人間の住所は全て首都ミヤコということになっている。
戦争と各時空
遡行戦争は、主に現世時空の歴史を書き換え合うものである。
歴史改変が最も苛烈な地点・時代は陸軍精鋭が担い、ある程度戦況が安定し戦況保守が主要任務となると順次後衛戦力(民間出身審神者など)の担当として開放される。
現世時空の歴史と本丸時空の歴史は断絶しており、本丸時空にいる限りたとえ祖先が子を残す前に死んでも歴史改変の影響を受けない。これを逆に本丸時空へ移り住むことを「正史から外れる」と嫌う人もいる。また、位置づけとして、本丸時空は「自軍が出撃する拠点であり、かつ敵兵が攻め込む可能性のある要塞」であるため、決して絶対安全ではない。
一方で、現世時空は歴史修正主義者の主要標的である。ここにいる限り、例えば先祖が殺されれば自分は消滅する。別に安全ではない。
その他、生活水準や文化など、現世時空と本丸時空はもはや完全に別個の世界と化しつつある。
どこに住むか決める時には、安全面だけでなく多角的な視点から比較・判断することをお薦めする。